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こんにちは。アンティークコインのマーケットプレイス、ソブリンハブの江村です。
今回は、イギリスのアンティークコイン専門ディーラー「カメオコインズ」のオーナーであるニックさんをお招きし、「これから人気が高まりそうなコイン」と「現在は過小評価されているものの、将来的な値上がりが期待できるコイン」をテーマにお話を伺いました。
アンティークコイン市場では、すでに価格が大きく上昇したコインだけでなく、これから価値が見直される可能性を秘めたコインに注目することも重要です。発行枚数の少なさや歴史的な節目、デザイン性、市場の需給バランスなど、価格上昇につながる要因はさまざまあります。
今回は、ニックさんが今後5〜10年先を見据えて特に注目している5種類のコインについて、その理由を詳しく伺いました。これからアンティークコインを購入したい方はもちろん、長期保有を前提に資産価値の高いコインを探している方も、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 1937年ジョージ6世5ポンド金貨が100周年を迎えることで期待される価値の変化
- リースクラウン銀貨が過小評価されていると考えられる理由
- ギリック・ソブリン金貨の価格上昇が続いている背景
- クイーンズ・ビースト・コンプリーター金貨が高く評価される理由
- 歴代エリザベス女王肖像シリーズの将来性と魅力
- 値上がりが期待されるコインに共通する特徴
- 5年後・10年後を見据えたコイン選びの考え方
1937年ジョージ6世5ポンド金貨は100周年で再評価される可能性

ニックさんが最初に挙げたのは、1937年ジョージ6世5ポンド金貨です。
すでに人気の高いコインですが、今後さらに価値が高まる可能性があるといいます。その理由として挙げられたのが、「100周年」という歴史的な節目と、発行枚数の少なさです。
100周年という節目が大きな追い風になる
ニックさんによると、1937年ジョージ6世5ポンド金貨は約10~11年後に発行から100周年を迎えます。
これまで多くのコイン市場を見てきた経験から、100周年や200周年といった節目を迎えるタイミングでは、人気や需要が一気に高まる傾向があるそうです。
もともと人気の高いコインですが、100周年が近づくにつれて、さらに需要が伸びる可能性が高いとのことでした。
私が「100周年はコインにとって大きな節目ですよね」と尋ねると、「特に人気デザインのコインでは、その影響はより大きくなる」と話していました。
発行枚数約5,000枚という希少性
1937年ジョージ6世5ポンド金貨の魅力は、100周年だけではありません。
発行枚数は約5,000枚強と少なく、高い希少性も備えています。
また、「ロイヤルミントが100周年を記念した商品を発売する可能性はありますか」と質問したところ、「肖像の復刻には制約があるものの、1937年セットのような記念商品が登場する可能性は十分ある」との見解でした。
記念商品の発売をきっかけに、オリジナルコインへの注目がさらに高まる可能性もありそうです。
長期では金価格以上のパフォーマンスを記録
私は「最近は価格がやや停滞していますよね」と質問しました。
ニックさんによると、ここ数年は大きな値動きこそないものの、10~12年前までさかのぼると価格は大きく上昇しているとのことです。
さらに、以前行った分析では、近年の金価格急騰を除けば、1937年ジョージ6世5ポンド金貨は金そのものを上回るリターンを記録していました。
金価格が急騰した近年は差が縮まったものの、それ以前は金より10~20%高いパフォーマンスを維持していた時期もあり、価値保存という面でも優れたコインだと評価していました。
今後10年を見据えた長期保有向きの一枚
最後にニックさんは、「今でも十分おすすめできる一枚です」と締めくくりました。
短期的な値動きだけを見ると落ち着いた印象がありますが、100周年という明確な材料を控え、発行枚数も限られています。
長期保有という視点で見れば、今後も注目しておきたいコインの一つといえるでしょう。
関連記事:今さら聞けない5ポンド金貨の知識 – クインタプルソブリンの歴史
リースクラウン銀貨は現在も過小評価されている

続いてニックさんが挙げたのは、リースクラウン銀貨(Silver Wreath Crown)です。
1937年ジョージ6世5ポンド金貨と同様に、100周年という節目を迎えることに加え、現在の価格が長年ほとんど動いていない点に注目していると話していました。
長年価格がほとんど動いていない理由
リースクラウン銀貨は、1926年から1936年にかけて発行されたシリーズです。
ニックさんによると、このコインは長年にわたり価格がほとんど変わっておらず、ご自身がコインを集め始めた頃から現在まで、大きな値動きは見られないとのことでした。
一方で、価格が動いていないからこそ、将来的な評価の余地が残されているといいます。
現在は市場で過小評価されている可能性があり、今後の値動きに期待しているシリーズの一つとして紹介されました。
1934年はゴシッククラウン以上の希少性
特に注目すべき年号として挙げられたのが1934年です。
私も「1934年がどれほど希少なのかは、あまり知られていませんよね」と話しましたが、ニックさんも同じ考えでした。
1934年の通常クラウンの発行枚数は約900枚しかなく、約8,000枚発行されたゴシッククラウンよりもはるかに少ない枚数です。
さらに、これは通常貨の数字であり、プルーフ貨となればさらに希少性は高まります。
発行枚数だけを見ると、現在の市場評価との差が大きいコインといえるでしょう。
100周年と復刻版への期待
ニックさんは、100周年が近づいていることも大きなポイントだと説明しました。
1934年をはじめ、シリーズ全体が今後100周年を迎えることで、市場の注目度が高まる可能性があります。
また、ロイヤルミントが記念商品や復刻版を発売する可能性にも触れており、1926年だけでなく1934年を記念した商品が登場することも十分考えられるとのことでした。
こうした話題性が加わることで、シリーズ全体の人気が高まる可能性があります。
割安感が残る今だからこそ注目したい
ニックさんは、100周年という節目、発行枚数の少なさ、そして現在も価格が大きく動いていない点を考えると、今後数年間は特に注目したいシリーズだと話していました。
長年価格が停滞しているからこそ、市場の評価が変わったタイミングで大きく値上がりする可能性があります。
比較的手頃な価格帯で購入できる個体もあり、将来性という観点からもチェックしておきたいコインの一つです。
関連記事:金貨が手の届かない価格になった今、あえて銀貨を選ぶ─100万円で狙えるイギリス銀貨3枚の正解
ギリック・ソブリン金貨は今なお需要が供給を上回る

今回ニックさんが紹介した中でも、ここ数年で特に大きな値上がりを見せているのがギリック・ソブリン金貨です。
実は私自身も4~5年前から「将来もっと人気が高まる」とお伝えしてきたコインですが、その予想を上回るペースで価格が上昇しています。
では、なぜここまで人気が高まっているのでしょうか。
エリザベス女王最初の肖像が人気を集める理由
ニックさんは、ギリック・ソブリン金貨最大の魅力は、エリザベス女王最初の肖像を採用したソブリンであることだと話していました。
エリザベス女王の逝去により、この肖像が新たに採用されることはありません。
限られた時代だけに発行されたコインとなったことで、その希少性が改めて評価され、特に状態の良い個体の価格が大きく上昇しています。
私も「ここ数年で100%近く値上がりしていますよね。金や銀以上のパフォーマンスだったと思います」と話しましたが、ニックさんも「まだ上昇は終わらないでしょう」と見ていました。
MS66・MS67が急速に市場から姿を消している
価格上昇の背景には、需要だけでなく供給の減少もあります。
ニックさんによると、近年は多くのコインがNGCやPCGSへ鑑定に提出されている一方で、以前より鑑定基準が厳しくなっている印象があるそうです。
そのためMS66を取得すること自体が難しくなり、MS67ともなると市場にほとんど流通しません。
私も以前はMS66を市場で見かける機会が多かった印象がありますが、現在ではほとんど見かけなくなりました。
多くのコレクターが買い進めた結果、市場に残る枚数そのものが減っているようです。
オークションで最高価格を更新し続ける背景
こうした需給バランスの変化は、オークション価格にも表れています。
ニックさんは「最近のオークションでは、毎回のように過去最高価格を更新している」と話していました。
私も現在の相場を追いかけるのが大変なくらい値動きが速くなっていると感じています。
数年前の価格を知っている方ほど、その上昇幅の大きさに驚くのではないでしょうか。
価格上昇が続くと考えられる理由
ニックさんは、「現在は需要が供給を上回っている。それだけのことです」と非常にシンプルに説明していました。
状態の良い個体は市場へ出回りにくく、出品されてもすぐに買い手が付く状況が続いています。
特にMS67クラスになると希少性が極めて高く、今後も高値で取引される可能性は十分あります。
こうした需給のバランスが変わらない限り、ギリック・ソブリン金貨は今後も注目を集めるシリーズの一つとなりそうです。
関連記事:2026年「復刻版5ポンド金貨」発表で再注目!ヤングヤングソブリンの産み親メアリー・ギリックとは
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クイーンズ・ビースト・コンプリーター金貨は現代コイン最高傑作の一つ

続いてニックさんが挙げたのは、クイーンズ・ビースト・コンプリーター金貨(Queen’s Beasts Completer)です。
ニックさんは、このコインを「ロイヤルミントが近年発行したモダンコインの中でも最高傑作の一つ」と高く評価していました。
復刻デザインではなくオリジナルデザインでありながら、シリーズ全体の完成度が非常に高く、今後も長期的な人気が期待できる一枚だといいます。
ジョディ・クラークによる圧倒的なデザイン
ニックさんは、最大の魅力としてデザイン性の高さを挙げました。
シリーズ全体の彫刻が非常に美しく、細部まで丁寧に作り込まれていることから、その魅力に気付くコレクターが年々増えているそうです。
私も「デザイナーはジョディ・クラークですよね。100年後、200年後には現代版のウィリアム・ワイオンのような存在になっているかもしれません」と話したところ、ニックさんも「間違いなく現代ロイヤルミントを代表する彫刻家になるでしょう」と語っていました。
さらに、このコインは表面・裏面ともにジョディ・クラークがデザインを担当している点も大きな特徴です。
一人のデザイナーが両面を手掛けたコインは珍しく、その点も高く評価される理由の一つとなっています。
シリーズ全体の人気が価格を押し上げている
2022年頃を振り返ると、クイーンズ・ビースト・コンプリーター金貨は現在ほど高い価格では取引されていませんでした。
しかし、その後シリーズ全体の評価が急速に高まり、価格も大きく上昇しています。
ニックさんは、単なる話題性ではなく、コインそのものの完成度が市場で評価された結果だと話していました。
市場全体でシリーズの魅力が認知されるにつれて、価格も自然に押し上げられているようです。
PF70が最高価格を更新し続ける理由
現在は、最高鑑定であるPF70がオークションへ出品されるたびに、高値を更新するケースが続いています。
それだけ需要が高い一方で、市場へ流通する枚数は限られています。
特に状態の良い個体はコレクターが手放しにくく、市場へ出回る機会も多くありません。
その結果、オークションでは競争が起こり、価格がさらに押し上げられている状況です。
発行枚数の少ない2オンス金貨にも注目
特に注目したいのが、2オンス金貨です。
ニックさんによると、現在はいくらで取引されているのか把握するのも難しいほど市場へ出回る機会が少なく、発行枚数も非常に限られています。
私が「50枚くらいでしたよね」と質問すると、「実際にはそれよりさらに少なかったと思います」と話していました。
現代コインをコレクションするのであれば、ぜひ長期保有を前提に所有しておきたい一枚として紹介されました。
関連記事:アンティークコイン投資完全ガイド:初心者が失敗しない始め方と成功への9つのステップ
歴代エリザベス女王肖像シリーズは将来性の高い現代コイン

最後にニックさんが紹介したのは、新たに発売された2オンス金貨および5ポンド金貨の歴代エリザベス女王肖像シリーズです。
このシリーズは、ギリック・ソブリン金貨とも共通する「若き日のエリザベス女王」をテーマとしており、現代コインの中でも特に将来性の高いシリーズとして注目していると話していました。
大型金貨で歴代肖像を楽しめる唯一のシリーズ
このシリーズ最大の魅力は、ギリック、アーノルド・マシン、マクラフリンといった歴代エリザベス女王の肖像を、大型の2オンス金貨で楽しめる唯一のシリーズであることです。
さらに、エリザベス女王が逝去された現在では、これらの若き日の肖像が新たに大型金貨として発行される可能性は極めて低く、希少性は今後さらに高まる可能性があります。
私も「本当に素晴らしいシリーズですね」とお伝えしましたが、ニックさんも強く推薦していました。
自然な価格上昇が続く健全なマーケット
ニックさんは、このシリーズの価格推移についても高く評価していました。
価格は急激に高騰しているわけではなく、市場の評価に合わせて少しずつ上昇しています。
私も「スリー・グレイセスのように、一晩で価格が急騰したケースとは違いますね」と話しましたが、ニックさんも「市場そのものが価値を認めて価格が上昇している状態なので、とても健全な動きです」と説明していました。
特定のディーラーが価格を押し上げているのではなく、市場全体が価値を評価した結果として価格が上昇している点が、大きな特徴だといえます。
発行枚数約50枚という極めて高い希少性
価格だけでなく、発行枚数の少なさも大きな魅力です。
2オンス金貨の発行枚数は約50枚前後しかありません。
これほど発行枚数が少ない大型金貨は非常に珍しく、市場へ流通する枚数も限られています。
また、ギリックやアーノルド・マシンなど歴代肖像を大型金貨でコレクションできる点も、このシリーズならではの価値となっています。
完売後は二次市場での入手が難しくなる可能性
ニックさんは、「今のうちに購入できれば良いですが、一度完売すると二次市場で見つけることは非常に難しくなるでしょう」と話していました。
私も、このシリーズを購入する方の多くは短期売買ではなく、長期保有を前提としている印象があります。
さらにニックさんは、「ロイヤルミントが今後、歴代エリザベス女王の肖像を大型金貨として再び発行することは、おそらくないでしょう」と説明していました。
希少性に加え、「今回限り」という可能性もあることから、今後長期的に注目されるシリーズの一つになりそうです。
関連記事:【70確約プラン】2026年発行!エリザベス2世生誕100周年記念「The First Effigy」ギリック5ポンド金貨
共通していた「値上がりするコイン」の条件

今回ニックさんが紹介した5種類のコインは、それぞれ異なる時代やシリーズのコインですが、共通しているポイントがいくつもありました。
単に「人気があるから」という理由ではなく、価格が上昇するだけの明確な根拠が存在していることが印象的でした。
100周年などの記念イヤーが控えている
最も多く挙げられたポイントが、100周年という節目です。
1937年ジョージ6世5ポンド金貨やリースクラウン銀貨は、これから100周年を迎えることで注目度が高まる可能性があります。
アンティークコイン市場では、100周年や200周年などの記念イヤーをきっかけに需要が高まり、価格が見直されるケースは少なくありません。
将来的なイベントが控えていることは、コイン選びの重要な判断材料の一つといえます。
発行枚数が少なく供給が限られている
今回紹介されたコインは、いずれも発行枚数が非常に限られていました。
1934年のリースクラウン銀貨や歴代エリザベス女王肖像シリーズの2オンス金貨などは、その代表例です。
さらにギリック・ソブリン金貨のように、市場へ流通する高グレード品が減少しているケースもありました。
需要が増えても供給が増えないコインは、価格が上昇しやすい条件を備えているといえます。
市場価格がまだ価値を十分に織り込んでいない
ニックさんが紹介したコインは、すでに価格が大きく上昇したものばかりではありません。
長年価格が停滞しているリースクラウン銀貨や、100周年をまだ迎えていない1937年ジョージ6世5ポンド金貨など、将来的な評価が現在の価格へ十分反映されていないと考えられるコインも含まれていました。
「今はまだ評価されていない理由」が明確なコインほど、将来的な値上がり余地が大きいという考え方は非常に参考になります。
長期保有を前提としたコレクターが増えている
もう一つ共通していたのは、短期売買ではなく長期保有を目的として購入するコレクターが多いことです。
長期間市場へ戻らないコインが増えるほど流通枚数は減少し、希少性はさらに高まります。
特に発行枚数が少ないコインでは、この傾向が価格へ与える影響も小さくありません。
今回ニックさんが紹介したコインは、いずれも5年後、10年後を見据えて保有する価値が期待されるものばかりでした。
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5年後・10年後を見据えたコレクションという選択

今回ニックさんが紹介したコインには、単に「人気がある」というだけではなく、将来的な価値上昇につながる明確な理由がありました。
100周年という歴史的な節目、限られた発行枚数、需要と供給のバランス、そしてデザイン性やシリーズとしての完成度など、それぞれ異なる強みを持っています。
また、今回紹介されたコインの多くは、すでに市場で価値が確立されている名品とは異なり、「これから評価が高まる可能性」を秘めている点も大きな魅力です。
もちろん、将来の価格を確実に予測することはできません。しかし、価値が高まる要因を理解したうえでコインを選ぶことは、長期的なコレクションや資産形成において大きな意味があります。
今回ご紹介した5種類のコインは、5年後、10年後を見据えてコレクションを考える方に、ぜひ注目していただきたいラインナップです。
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