金価格4,200ドル突破:史上最高値更新の背景と今後の展望

金インゴット 金価格4,200ドル突破:史上最高値更新の背景と今後の展望

こんにちは、ソブリンハブの江村です。

金価格が1オンスあたり4,200ドルを突破し、史上最高値を更新し続けています。トランプ大統領による追加関税の可能性が示唆される中、投資家たちは安全資産へと資金を移動させていますが、専門家たちはこの上昇を単なる「恐怖による買い」だけでは説明できないと指摘しています。今回は、金価格上昇の構造的要因と今後の見通しについて、市場の専門家たちの分析を基に詳しく解説します。

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金価格上昇を支える構造的要因

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🏦 中央銀行による戦略的な金買い

金価格上昇の最も重要な要因の一つが、各国中央銀行、特にBRICS諸国による大規模な金購入です。この動きは単なる資産分散ではなく、地政学的な戦略に基づいています。

中国を例に考えてみましょう。中国は7,600億ドル相当のアメリカ国債を保有していますが、アメリカが100%の関税を課すと脅威を示す状況下で、これらのドル建て資産は大きなリスクを抱えています。2022年にアメリカがロシアのドル建て資産3,000億ドルを押収した前例があることを考えれば、中央銀行が金の延べ棒という物理的資産を選好する理由は明白です。コンピュータのスイッチ一つで奪われることのない資産として、金は究極の安全性を提供します。

実際、昨年は80トン以上の大規模な金購入が行われ、今年はそれを上回るペースで推移しています。この「価格に左右されない買い手」の存在が、金価格に強固な下支えを提供しているのです。

🌍 ドル覇権の揺らぎとSwiftの武器化

世界の基軸通貨である米ドルの立場が、2022年のSwift(国際銀行間通信協会)の武器化以降、根本的に変化し始めています。アメリカが国際金融システムを外交政策の道具として使用し始めたことで、多くの国々がドル依存からの脱却を模索するようになりました。

2025年初頭に追加された関税措置は、この動きにさらに拍車をかけています。各国がドルから距離を置き、準備資産として金を選好する傾向は、今後も継続すると見られています。米中貿易摩擦の激化は、この構造的な変化をさらに加速させる要因となっています。

💰 金融政策と財政赤字の影響

FRB(連邦準備制度理事会)による金利引き下げは、金にとって基本的にプラス材料です。低金利環境では、利息を生まない資産である金の機会コストが低下するため、投資対象としての魅力が増します。

さらに重要なのが、拡大を続ける財政赤字です。37兆ドルを超える債務に加え、1.9兆ドルの赤字が見込まれる中、この構造的な問題はドルを弱め、金の価値を相対的に高めています。これは短期的な現象ではなく、今後も継続する可能性が高い構造的な要因です。

今後の価格予測と目標水準

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📈 短期から中期の見通し

専門家たちは、金価格が今年中頃から年末にかけて4,500ドル程度に達し、来年には5,000ドルを超える可能性があると予測しています。ある市場ストラテジストは、調整局面の深さに応じて、2026年には4,700ドルから5,200ドルの範囲に達すると見ています。

興味深いのは、金価格の調整が「横ばい」で進行している点です。強いトレンドが急に停止して横ばいになる現象は、市場心理を反映しています。つまり、投資家たちは「金はもう上がらない」とは思っていないが、現在のポジションを手放す理由もないという状態です。この状況は、次の上昇局面に向けた強固な基盤を形成しています。

⚠️ 短期的なリスク要因

もちろん、急激な価格上昇には反動のリスクが常に存在します。しかし、現在の環境ではそのリスクは限定的と考えられています。FRBの利下げ政策、中央銀行による継続的な買い入れ、そして財政赤字の拡大という三つの追い風が同時に吹いているためです。

価格が下落する可能性があるとすれば、FRBが金利を引き上げ始める、中央銀行が売りに転じる、あるいは政府が均衡予算を目指す新しい政策を打ち出すといった場合ですが、近い将来にこれらが実現する可能性は低いと見られています。

投資手段の選択肢

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📊 ETFと金融商品

金への投資を考える際、いくつかの選択肢があります。ゴールドETFは、ここ数年価格が上昇しているにもかかわらず、資金流入はほぼ横ばいでしたが、今年に入ってから勢いよく増加し始めています。価格上昇がさらなる買い手を引き寄せるという好循環が始まっているのです。

革新的な商品として、金の先物と高格付け社債を組み合わせたETFも登場しています。このタイプの商品は、金価格の変動によるリターンに加えて、約5%の利回りを提供することができ、今年に入ってから50%以上のリターンを記録しているものもあります。

🪙 現物と鉱山株

物理的に金を保有することも選択肢の一つですが、保管コストや管理費、さらに売却時の割引や購入時のプレミアムといった問題があります。一方、先物市場やETFではこうした追加コストを回避できます。

金鉱株も魅力的な選択肢です。ここ数年、金価格は上昇していたものの、採掘コストも上昇していたため、鉱山会社の利益率は改善していませんでした。しかし、2025年に入ってから状況が変化し、金価格の上昇が採掘コストの増加を大きく上回るようになったため、利益率が拡大し始めています

銀など他の貴金属の動向

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🥈 銀の急騰とその背景

金の上昇は、銀などの他の貴金属にも波及しています。銀はついに1オンスあたり50ドルの大台を突破し、新たな史上最高値を記録しました。

興味深いことに、2023年11月以降の貴金属のパフォーマンスを比較すると、金が約133%上昇したのに対し、銀は約130.5%と、ほぼ同等の上昇率を示しています。銀が「庶民の金」と呼ばれ、金よりも手頃な価格であることから、金が高騰すると銀への関心が高まる傾向があります。

さらに重要なのは、銀には工業用途と貴金属としての需要という二つの側面があることです。経済が急激に減速していない中でFRBが利下げを行えば、銀の工業用途需要と安全資産としての需要が同時に盛り上がる可能性があります。

⚗️ プラチナとパラジウム

一方、プラチナについては、主な用途が内燃機関に限定されており、電気自動車への移行により需要が減少しているため、他の貴金属ほどの上昇は見込めないとの見方もあります。パラジウムは、レアメタルとしての希少性と多様な用途から、今後も価格上昇が続くと予想されています

市場のセンチメントと技術的分析

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💡 金曜日の市場反応が示すもの

金曜日の中国関税発表時の市場反応は、金の地位を明確に示しました。他のリスク資産が軒並み下落する中、金だけが値上がりしたのです。注目すべきは、ビットコインも下落したという点です。これは、ビットコインがまだ純粋な安全資産としての地位を確立していないことを示しており、依然としてNASDAQの動きと連動していることを意味します。

📉 横ばい調整の重要性

テクニカル分析の観点からは、金の調整が横ばいで進行していることが重要です。強いトレンドが突然停止して横ばいになるとき、それは市場参加者が「もう上がらない」とは思っていないものの、「今は売らない」という心理状態にあることを示しています。この状況下では、次に市場で不安材料が生じた際、FOMO(取り残される不安)によって新たな買い圧力が生じやすくなります

結論:構造的上昇トレンドの継続

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金価格の上昇は、一時的な恐怖心理だけでなく、以下のような構造的要因に支えられています:

  • 各国中央銀行による戦略的な金買い
  • ドル覇権の揺らぎと準備資産の多様化
  • FRBの利下げ政策
  • 拡大を続ける財政赤字

これらの要因は短期的に解消される性質のものではなく、今後も金価格を支え続けると考えられます。もちろん短期的な調整局面は避けられませんが、全体としての上昇トレンドは継続する可能性が高いでしょう。

投資家にとって重要なのは、自身の投資目的とリスク許容度に応じて、現物、ETF、鉱山株など適切な投資手段を選択することです。金への投資を検討する際は、長期的な視点を持ち、ポートフォリオ全体のバランスを考慮することが重要です。

金市場は今、歴史的な転換点にあると言えるでしょう。地政学的な緊張、金融政策の方向性、そして構造的な経済問題が複雑に絡み合う中、金は改めてその価値を証明しています。


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