
メモ:この記事は「英国の旧貨幣制度におけるシリング(Shilling)」の解説です。現代の各国通貨としての“シリング”とは別物として読んでください。
重要(YMYL):本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定銘柄の売買を勧誘するものではなく、将来の価値や価格上昇を保証するものでもありません。最終判断はご自身の目的・予算・リスク許容度に合わせて行ってください。
こんにちは。アンティークコインのマーケットプレイス、ソブリンハブの江村です。
「シリングって、結局いくら?」「なんで12ペンスなの?」—英国アンティークコインを見始めると、最初にぶつかりやすいのがこの“旧貨幣単位”です。
シリングは、旧イギリスの通貨体系(いわゆる £sd )で長く使われてきた単位で、コインの説明文・カタログ・オークションでも頻繁に登場します。
この記事では、シリングの基本(12ペンス/20シリング=1ポンド)から、なぜ12なのか、表記の読み方、デシマル化でどうなったかまで、初心者向けに一気通貫で整理します。
シリングとは?(12ペンス/20シリングの基本)
シリング(Shilling)は、英国の旧貨幣制度で使われた通貨単位のひとつです。まずは、ここだけ覚えると迷いが減ります。
| 単位 | 関係 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 1シリング | 12ペンス | 「12で1セット」 |
| 1ポンド | 20シリング | 「20で1ポンド」 |
| 1ポンド | 240ペンス(=20×12) | 「20×12=240」 |
ポイント:アンティークコインの世界では「価値=相場」より先に、まず“単位を読めること”が大事です。読めないと、比較もできません。
旧貨幣制度(ペンス・シリング・フローリン・クラウン…)を全体で把握したい方は、1ポンド=240ペンス?イギリス旧貨幣制度の全て|ペンス・シリング・フローリン・クラウン・ソブリンまで完全解説もあわせてどうぞ。
なぜ12ペンスがシリングと呼ばれるのか

「なぜ12ペンス=1シリングなのか?」は、突き詰めると“制度の歴史”と“日常の使いやすさ”の両方が絡みます。
会計単位として先に存在し、あとから硬貨として定着した
英国では、シリングは“硬貨”として普及する前から、お金の計算(会計)に使う単位として長く使われてきました。つまり、最初から「12ペンスを1単位として扱う」文化があり、のちにそれが硬貨としても一般化した、というイメージです。
12は「割り算に強い」
12は、2・3・4・6で割れるため、日常の売買で端数処理がしやすい数です。たとえば「半分」「3分の1」「4分の1」などが、計算しやすくなります。現代の感覚だと直感しにくいですが、昔の小口決済ではこの“割り算のしやすさ”が大きなメリットでした。
補足:ここで覚えたいのは「12という数字の便利さ」よりも、“旧貨幣は制度としてそう決まっていた”という割り切りです。相場の話ではなく、制度の話です。
旧貨幣を含むアンティークコイン投資の全体像(始め方・注意点)を先に掴みたい方は、アンティークコイン投資完全ガイド:初心者が失敗しない始め方と成功への9つのステップも参考になります。
旧貨幣制度の中での位置づけ(フローリン/クラウン等)
旧英貨幣は、単位が多くて混乱しがちです。ここでは「シリングを中心に周辺硬貨を覚える」方法で整理します。
よく出る周辺単位(最小限)
| 名称 | 旧表記 | シリング換算 | 補足 |
|---|---|---|---|
| フローリン(Florin) | 2s | 2シリング | “2シリング硬貨”として登場 |
| ハーフクラウン(Halfcrown) | 2s 6d | 2.5シリング | 2/6 と書かれることが多い |
| クラウン(Crown) | 5s | 5シリング | 大型銀貨の文脈で頻出 |
コツ:まずは「2s(フローリン)」「2/6(ハーフクラウン)」「5s(クラウン)」の3点セットだけ押さえると、説明文が読みやすくなります。
クラウン銀貨(とくにゴシッククラウン)を深掘りしたい方は、〖今さら聞けない〗ゴシッククラウン銀貨の全種類を徹底解説!もあわせてどうぞ。
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価格表記の読み方(£sd/1/6/2/6 など)

アンティークコインの説明で地味に困るのが、旧英貨幣の表記です。ここを越えると、オークション説明・価格表記の理解がかなり楽になります。
£sd(ポンド・シリング・ペンス)とは
旧英貨幣は、ざっくり言うと「ポンド(£)/シリング(s)/ペンス(d)」の3階建てで表されます。たとえば「£1 2s 6d」のように書かれます。
“1/6”“2/6”“5/–”の読み方
コインやカタログでは、次のような表記もよく登場します。
- 1/6:1シリング6ペンス(=18ペンス)
- 2/6:2シリング6ペンス(=ハーフクラウンの代表的表記)
- 5/–(または 5/-):5シリング0ペンス(=クラウン相当)
| 表記 | 読み方 | ペンス換算 |
|---|---|---|
| 1/6 | 1シリング6ペンス | 18d |
| 2/6 | 2シリング6ペンス | 30d |
| 5/– | 5シリング0ペンス | 60d |
覚え方:「スラッシュの左がシリング、右がペンス」と思うと整理しやすいです(例:2/6=2シリング6ペンス)。
表記を含めた旧貨幣制度の全体像は、1ポンド=240ペンス?イギリス旧貨幣制度の全て|ペンス・シリング・フローリン・クラウン・ソブリンまで完全解説にまとめています。
デシマル化でシリングはどうなった?(5pとの関係)
旧英貨幣を学ぶうえで、混乱しやすいのがデシマル化(Decimalisation)です。「シリングはいつ消えたの?」という疑問は、ここを押さえると整理できます。
ざっくり時系列(これだけでOK)
- 1966年:£sdからデシマル通貨へ移行する方針が公表される
- 1968年:5pと10pが先行して流通(移行の準備として)
- 1971年:デシマル化(Decimal Day)で本格移行
5pは「シリング相当」として扱われた
移行期には、5ペンス(5p)がシリングと同じ価値として扱われ、日常で混在する形がありました。「旧シリング=5p相当」という説明は、基本的にここから来ています。
注意:「シリング=今も換金できる」という意味ではありません。制度上の“相当関係”として理解するのが安全です。
アンティークコインを資産の一部として考えるときの基本(分散・安定性・考え方)は、アンティークコイン投資とは:ポートフォリオの分散と安定性をもたらす資産戦略も参考になります。
収集・投資で失敗しないためのチェックリスト

ここからは、シリングに限らずアンティークコイン全般に効く「失敗回避」の話です。どの年代が良い、どの銘柄が上がる、といった断定はしません。その代わり、初心者が損をしやすい“地雷”を踏まないための見方を整理します。
| チェック項目 | 見るポイント | なぜ重要? |
|---|---|---|
| 状態(コンディション) | 摩耗、傷、打痕、変色、腐食の有無 | 同じ年号でも価格差が大きくなりやすい |
| “手入れ”の痕跡 | 不自然な光沢、細かい線傷、表面の均一さ | 評価が下がるケースがある(断定はしない) |
| 説明の透明性 | 写真の枚数、角度、重量や直径の記載 | 後から気づくリスクを減らす |
| 価格の根拠 | 同等品の落札例、相場帯との整合 | “雰囲気価格”を掴みにくくする |
| 出口(売却) | 買い手の多さ, 需要の分かりやすさ | 売却時に困りにくい |
絶対NGに寄せたい行動:「汚れているから」と自己判断で洗浄・磨きをすると、評価が下がる可能性があります(程度によります)。迷ったら“触らない”が基本です。
洗浄など「やってはいけないこと」を具体例で知りたい方は、〖絶対NG〗アンティークコインに絶対やってはいけないこととは?を先に読むのがおすすめです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. シリングは「今いくら」ですか?
A. ここでいう「いくら」は2種類あります。①制度上の換算(12ペンス=1シリング)と、②市場価格(収集・売買の相場)です。この記事は①の理解を中心に整理しています。②は状態・年号・需要・売買ルートで変わるため、単一の金額で断定はできません。
Q2. シリングは5ペンス(5p)と同じですか?
A. デシマル化の移行期に「5pがシリングと同価」として扱われた文脈があります。ただし、だからといって“今も同じ扱いで使える”という意味ではありません。制度と現実の取り扱いは分けて理解すると安全です。
Q3. 未鑑定でも買っていいですか?
A. 一概にNGではありませんが、初心者ほど「説明不足」「状態判断ミス」「真贋不安」などのリスクが増えやすいのは事実です。買い方・保管・売却まで含めてリスクを整理しておくと失敗確率が下がります。
Q4. シリングを買う前に、まず何を覚えるべき?
A. 優先順位は、①換算(12d/1s、20s/£1)、②表記(1/6、2/6、5/–)、③周辺単位(フローリン、クラウン)です。この順に覚えると、出品説明の理解が早いです。
リスク全体(流動性・偽物・盗難など)を一度まとめて確認したい方は、
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