

こんにちは。アンティークコインのマーケットプレイス、ソブリンハブの江村です。
アンティークコインは、美術品としての鑑賞性と歴史価値に加え、長期的な資産分散の受け皿になり得る現物資産です。本稿では、長期保有の観点から外しにくい3枚を厳選し、選定理由、基本スペック、入手・保管の注意点まで実務的に整理します。将来価値の保証はできませんが、売買の現場で評価が定まりやすい銘柄、真贋鑑定・流通基盤がある銘柄に焦点を当てます。
| 選定 | 銘柄 | 時代 | 金属 | 直径/重量 | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | ギリックソブリン金貨(通称ヤングヤング, メアリーギリック肖像) | 1957–1959, 1962–1968 | 金(22K, 約91.67%) | 約22.05mm / 約7.98g | 流動性が高く、状態希少性で差が出やすい |
| ② | ゴシッククラウン銀貨(Victoria Gothic Crown) | 1847 | 銀(.925) | 約38.61mm / 約28.28g | 美術性が極めて高く、限定的な製造で知られる |
| ③ | ヴィクトリア・ヤングヘッド シールドソブリン金貨 | 1838–1874 | 金(22K, 約91.67%) | 約22.05mm / 約7.98g | タイプ・年号・ミントで深いコレクション性 |
長期保有の考え方と選定基準
長期保有に向くコインの共通点は、流動性、真贋鑑定の標準化、需給の持続性、状態別の評価差が明瞭であることです。具体的には、主要鑑定機関の累計枚数が把握できること、競売や店頭での過去成約が蓄積し価格帯の目安が市場に共有されていることが重要です。さらに、贋作対策や修整痕の見分け方が定義化されていると、出口での齟齬リスクを抑えられます。
本稿の選定では、①売却局面での買い手の厚み、②国際的な認知度、③保存状態が価格に与える寄与度、④長期的な保存・保険・相続の実務面を重視しました。入替えを前提としない「置きに行く」銘柄として、金・銀のバランスも意識しています。購入の可否は各自の資金計画と許容リスクに依存しますので、分散と余裕資金で臨む前提でご検討ください。

選定① ギリックソブリン金貨(1957–1968)
エリザベス2世の初代肖像を刻むギリックソブリンは、1957年に量産が再開され、1968年まで不連続に発行されました。22金、重量約7.98g、直径約22.05mmという標準スペックで、表面はMary Gillick、裏面はB. ピストルッチのセントジョージの竜退治です。地金型に近い価格と、状態や年別での希少性が両立しており、出口戦略を組み立てやすいのが長所です。故エリザベス二世の一番最初の肖像ということもあり近年非常に人気が高まりつつあります。しかしその人気はまだまだ火がついたばかり。将来が非常に楽しみな一枚です。
評価ポイント
- 流動性: 年代を横断して買い手層が厚く、入替え時の価格決定が相対的にスムーズです。
- 状態希少性: 同一タイプでもMS66~67のハイランクは発行量に対して相対的に少なく、今後の価格上昇に期待が持てます。
- 実務性: サイズ・重量が小さいため、保管・輸送が容易です。
基本スペック
| 金属 | 金(22K, 約91.67%) |
|---|---|
| 直径/重量 | 約22.05mm / 約7.98g |
| 発行年 | 1957–1959, 1962–1968 |
| デザイナー0 | 表: メアリーギリック/裏: ベネデット・ピストルッチ |
| 流通の目安 | 年代・状態により地金+α~状態プレミアムまで幅広い |
同タイプでも1957年はエッジのミリングが細かいなど、年別特徴があります。贋作・改造は少なくありません。鑑定機関の鑑定済みのコインをを推奨します。
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選定② ゴシッククラウン銀貨(1847)
1847年に制作されたヴィクトリア女王のゴシッククラウンは、ウィリアム・ワイオンによる華麗な意匠で知られ、ヴィクトリア貨幣芸術の到達点と評価されています。直径約38.61mm、重量約28.28g、銀品位.925。流通用というより記念的性格が強く、製造数は限られています。保存状態やトーン、カメオの乗り具合で印象と評価が大きく変わります。
評価ポイント
- 美術性: 細密なゴシック書体とシールドの意匠は、歴史的背景と調和した完成度です。
- 供給の限界: 製造が限定的で、完全な代替供給が難しいため、長期の希少性が保たれやすい構造です。
- 市場透明性: 国際競売の履歴が豊富で、状態別のレンジが参照しやすい傾向です。
基本スペック
| 金属 | 銀(.925) |
|---|---|
| 直径/重量 | 約38.61mm / 約28.28g |
| 発行年 | 1847(プルーフ仕様) |
| デザイナー | 表/裏: ウィリアム・ワイオン |
| 注意点 | 磨き跡・洗浄歴の有無で評価が大きく変化 |
人気ゆえに贋作・加工品が存在します。縁文字の摩耗、鏡面のヘアライン、リム打ちなどの減点要因は事前に確認してください。

選定③ ヴィクトリア・ヤングヘッド シールドソブリン金貨(1838–1874)
ヴィクトリア若年肖像のシールドソブリンは、タイプ別・ミント別・年号別の収集軸が豊富で、体系的なコレクション構築に適しています。初期タイプ特有の打刻差、ミントマークの細変化、リムやシールドの磨耗度合いなど、観察ポイントが多く、選定眼によって成果が分かれやすい銘柄です。
評価ポイント
- 裾野の広さ: 普及的グレードから高鑑定まで層が厚い一方、希少年号は構造的に少数です。
- 情報資産: 研究書・カタログ・過去成約が豊富で、学習によるリスク低減がしやすい分野です。
- 出口選択肢: 年号・ミントの訴求力が出口で機能しやすく、相対評価が付きやすいです。
基本スペック
| 金属 | 金(22K, 約91.67%) |
|---|---|
| 直径/重量 | 約22.05mm / 約7.98g |
| 発行年 | 1838–1874(中断・タイプ替えを含む) |
| デザイナー | 表: ウィリアム・ワイオン/裏: ジャン・バティスト・メルレン |
| 選定の勘所 | 打刻・艶・リムの健全性、クリーニング痕の有無 |
関連記事: 〖完全保存版〗ソブリン金貨とは?

予算別ポートフォリオの考え方
50万〜150万円レンジ
- ギリックソブリン中心に状態を優先。鑑定済みのMSクラスと未鑑定地金型の良品を組み合わせ、バランスの取れたポートフォリオが理想的です。
- 余力があれば、シールドソブリンのMSグレードを一点加え、年号バリエーションによる効果を狙います。
150万〜400万円レンジ
- ギリックで高鑑定帯を1–2枚、シールドソブリンで年号・ミントエラー等の魅力がある個体を1枚。ゴシッククラウンの未使用品も検討。
400万円以上
- ゴシッククラウンの高鑑定品を核に、ギリックのMS66とシールドソブリンの稀少年号で厚みを出します。保管・保険・相続の実務設計も同時に進めてください。
購入前の注意点とリスク管理
- 真贋・加工: 研磨や洗浄歴は特に銀貨で評価を大きく損ないます。鑑定写真の光源・角度を揃えて確認し、打刻のシャープさと微細傷の方向性を見ます。
- エッジ・リム: ゴシックは縁文字の摩耗や欠け、ギリックはミリングの乱れもチェック対象です。
- 由来の記録: 仕入日、販売先、鑑定番号、前回落札情報などの台帳化で、出口時の信用補完になります。
FAQ
Q. 長期保有の目安はどの程度ですか?
A. ご自身の資金繰りや相続設計に依存しますが、現物資産の特性上、数年単位での保有を前提に検討される方が多いです。
Q. ギリックは「投資用の大量発行」で希少性が弱くないですか?
A. 発行枚数は多い一方、状態希少性や特定年の個性、複数年の組成で差別化が可能です。出口の厚みが補完的に働く側面もあります。
Q. ゴシックは銀ですが、金貨と比べてどう位置付けますか?
A. 金よりもボラティリティが大きい場合がありますが、美術性と歴史的評価が強固で、分散上の意味があります。保管・取扱いには一層の注意が必要です。
まとめ
- ギリックソブリンは流動性と状態希少性の両立で「核」にしやすい。
- ゴシッククラウンは美術性と限定性で長期保有の軸になり得る。
- シールドソブリンは体系的収集で深みを出せるコア銘柄。いずれも鑑定・由来の管理が成果を左右します。
次のアクションとして、購入予算と保管設計を先に固め、候補個体の比較表を作ることをおすすめします。
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