【絶対NG】アンティークコインに絶対やってはいけないこととは?
皆様こんにちは、ソブリンハブの江村です。
本日はアンティークコイン収集において“絶対にやってはいけない行為”についてお話いたします。
この記事では特に多くの方がやりがちな「コインを拭く・磨く」という行為が、いかにコインの価値を損ねてしまうかを、実際の実験結果を交えて詳しくご紹介いたします。
1. なぜ拭いたり磨いたりしてはいけないのか?
コインをティッシュやタオルで拭いたり、金属磨きで磨いたりすることは、表面に傷を付ける原因となり、グレーディング(鑑定評価)において重大な減点対象となります。
特にモダンコインのプルーフ仕様などでは、鏡面のような仕上げが命です。この表面に「ヘアライン」と呼ばれる細かな傷が入ってしまうと、本来は70評価が取れるはずだったコインも、68などに評価が下がってしまいます。
磨く行為はもっとNGです。YouTubeなどで“鏡のようにピカピカに磨く動画”が人気ですが、鑑定に出した際には絶対に数字(グレード)が付かなくなります。
2. 実際にコインを磨いて鑑定に出してみた
今回は注意喚起も兼ねて、1枚のコインを実際に磨いて鑑定に出してみる実験を行いました。
使用したのは1967年の1ペニ―銅貨です。この時代のペニーは、12進法から10進法へと移行する直前に発行されたもので、大量に市場に出回っており、安価で入手できることから実験に最適でした。
そして、車の傷消しに使われるような金属磨き剤をたっぷり塗り、綿棒でゴシゴシと磨きました。
3. 鑑定結果とその影響
磨いたコインを、PCGS社へ鑑定に出した結果は……
「ディテール鑑定」扱いとなりました。
評価コメントには「Questionable Color(疑わしい色)」という記載がありました。
これはつまり、「本来のコインの色が人工的に変えられている可能性が高い」と判断されたということです。
結果的に、鑑定評価(グレード)は一切付かないという状態になりました。
これが、たとえば「ウナとライオン」のような希少な5ポンド金貨だった場合…
磨いたことで数百万円単位で価値が下がる可能性もあるという、恐ろしい現実です。
4. まとめ:絶対に磨かず、そのまま保管しよう
今回の実験からも明らかなように、コインを磨いたり拭いたりすることは、貨幣としての価値を大きく損なう行為です。
- ✔️ 綿棒や布での乾拭きもNG
- ✔️ 市販の金属磨き剤などは絶対使用しない
- ✔️ 保管はできるだけ空気に触れないようカプセルやホルダーで
- ✔️ 裸のコインは早めに鑑定に出すのも手段の一つ
コインは「そのままの状態で時を経た美しさ」が価値になります。ぜひ正しい取り扱いをして、大切なコインを守っていきましょう。
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また次回の記事でも、コイン収集の楽しみと奥深さをお届けします。